令和元年台風第19号の被害に関する会長談話 

去る10月12日から13日にかけて,台風第19号が伊豆半島に上陸,関東地方から東北地方を縦断し,広範囲で記録的な大雨,暴風をもたらし,河川の氾濫による浸水被害や土砂災害など,甚大な被害を生じさせており,人的被害で言えば,死者70名超,行方不明者も10名超と報道されています。

まずは,亡くなられた方々に謹んで哀悼の意を表し,被災された皆様に心からお見舞い申し上げますとともに,行方不明者の一刻も早い安全確保を願っております。

 

今回の台風の被害に際し,静岡県では伊豆の国市と函南町に災害救助法の適用が決まりました。県内で災害救助法が適用されるのは2004年(平成16年)の台風第22号における伊東市以来,実に15年ぶりのことであり,近年稀に見る規模の自然災害であることが明らかです。特に浸水による住家の被害は多く,伊豆の国市,焼津市,函南町の3市町ではそれぞれ200棟以上の床上浸水が,県内全域では861棟の床上浸水,1596棟の床下浸水が報告されています(10月16日13時現在の静岡県危機報道官報告より)。

水害にあってしまったときの対処法については,「震災がつなぐ全国ネットワーク」がまとめた冊子「水害にあったときに」の中で,①後日の被害証明のための被害状況の写真・動画撮影,②保険会社など連絡すべき相手,③片付け,泥出しの注意点,④り災証明書の申請などについてわかりやすくまとめられており,非常に参考になります。当会でも,その他,被災者から多く寄せられそうな質問,心配事や知っていただきたい支援制度などをQ&Aでまとめた「静岡県弁護士会ニュース・台風19号水害編」を10月15日付けで発行いたしました。弁護士会のホームページ(https://www.s-bengoshikai.com/)でもダウンロード可能です。印刷,配布も自由ですので,被災者や支援者の皆様は,是非ご一読いただければ幸いです。また,直接ご相談を希望される方に対しては,弁護士会の最寄りの支部にお電話いただければ,担当者を決めて折り返しお電話での無料相談に応じる態勢を整えております。法律問題に限らず,お気軽にお電話ください。(静岡支部054-252-0008,沼津支部055-931-1848,浜松支部053-455-3009。いずれも平日午前9時30分~午後0時,午後1時~午後5時。)

当会では,これまで災害に備えて県内の多くの市町と支援協定を締結してまいりました。伊豆の国市とは本年9月30日に協定を締結したばかりでしたが,すぐに市のホームページで前述の弁護士会ニュースを紹介していただくなど,迅速な対応に敬服するとともに,連携の成果が発揮できていることを実感しております。今後も多くの市町と連携をとりながら,被災者への支援活動にあたっていきたいと考えております。

 

災害発生直後から,懸命な救助・救援・復旧活動に従事されている自治体職員はじめ関係者の皆様方には心よりの敬意を表します。当会も,引き続き,県や市町,関係団体との連携をとりながら,その支援の輪の1つとして,被災された皆様の一日も早い復興,復旧のために力を尽くす所存です。

 

2019年(令和元年)10月17日
静岡県弁護士会
会長 鈴木 重治